4月になると、全国の動物病院で始まる『狂犬病予防接種』
みなさん、ちゃんとうってますか?うってますよね??
狂犬病は『うたなあかんワクチン』と言うことを知らない人も結構いるもんやと言うことを最近知りました。
一説によると、日本の狂犬病の予防接種率は約50%だとか・・・
つまり、半分の方はうってない。
打つ必要があるものなのか、そもそも狂犬病って何や?狂牛病と関係あるんか?日本にはない病気って聞いたけど?
色々疑問もあるでしょう。なるべく簡単なことを書いていこうと思います。
そもそも、狂犬病とは何なんでしょう?
呼んで字のごとく『犬が狂う病気』って感じでしょうか?
これでは半分正解、半分不正解ってところでしょうか。
なんで半分不正解かと言うと、『犬だけが狂うわけじゃない』ってことが重要なのです。
狂犬病は『狂犬病ウイルス』に感染することによって起こる病気で、ほぼ全ての哺乳類が感染します。もちろん、人間も含まれます。
狂犬病ウイルスには、主に狂犬病に感染している犬などに噛まれることによって感染します。ウイルスは狂犬病に感染している犬などの唾液にいっぱい含まれていて、噛まれた傷口から侵入してきます。
傷口から侵入したウイルスはやがて脳に侵入し、さまざまな神経症状を起こします。この時に起こる症状で、すごく周りの刺激に対して過敏になり、いかにも狂ったようになることがあります。犬ならちょっとしたことですぐに噛み付いてしまうような感じですな。
そして、狂犬病ウイルスに感染し、発症してしまうとほぼ100%助からない病気でもあります。しかし、注意してほしいのは『感染すると』ではなく『発症すると』ってところです。
人間が感染した場合の話になりますが、感染部位にもよりますが大体感染した犬に噛まれてから発症するまで数ヶ月かかります。この時期を『潜伏期間』といいます。狂犬病は意外と潜伏期間が長い病気でもあります。つまり、この潜伏期間にならなんとか助かる道はあるのですね。
しかし、恐ろしい病気には変わりありません。
発症してから気づいてももう手遅れ。あとは死を待つのみ・・・
ホンマに恐ろしい病気なのです。
ずばり『うたなあかん!』
なんで?法律で決まってるから。うたな犯罪なの。
と言うことです。簡単な話やね〜。でも、意外と知らない人も多いはず。
日本には『狂犬病予防法』という立派な法律があります。ちゃんと罰金も決められている法律なのです。
上で書いたとおり、狂犬病は人間にも感染し、さらにはほとんど助からないと言う恐ろしい病気です。昔の日本政府はこの恐ろしい病気を日本から撲滅しようと法律を制定し、そして見事撲滅に成功したのでした。
では、狂犬病予防法なんていう法律にはどんなことが書いてあるんやろう?って思うのが普通ですね。中身を抜粋して噛み砕いて書くと
- 犬の飼主さんは、犬を飼い始めた日から30日以内にその犬の登録をせなあかん。
- 市長さんや村長さん区長さんは、登録の申請があったらちゃんと登録し、犬の鑑札をわたさなあかん。
- 飼主さんはもらった鑑札を犬につけとかなあかん。
- 犬が亡くなったり、引越しをしたりしたらちゃんと届なあかん。
- 犬の飼主さんは狂犬病の予防注射を毎年1回受けさせなあかん。
- 市長さんや村長さんは注射を受けた犬の飼主さんに注射済票をわたさなあかん。
- 飼主さんはその注射済票を犬につけとかなあかん。
- 上のようなことをせんかった人は20万円以下の罰金やで!
ってなかんじでしょうか。
なんで大阪弁でかかなあかんねん、って突っ込みがきそうやけど、噛み砕くとこうなりました。
登録して毎年注射うつことは知ってても、その時もらう鑑札とか注射済票を付けとかなあかんってのは知らない人も多いんじゃないでしょうか?
これは正解。
まずは下の世界地図をご覧ください。
見てのとおり、世界中真っ赤ですね。
緑の地域は日本とオーストラリア、ニュージーランド、北欧などだけです。
日本にはない病気やけど、地球上でと言う視点で見るとない地域のほうが少ないような病気です。恐ろしい病気のはずなのに・・・
う〜ん、関係なし。
狂犬病 狂牛病 ウイルス 病原体 プリオン 伝染する 人間に? たぶん、伝染する ほぼ全ての哺乳類 他の動物は? 牛とか羊が主 ない 日本には? なかった 死ぬ 死ぬの? 死ぬ っとまぁ、こんなかんじでしょうか。
なんぼか似てるところもあるけど、まったく違う病気です。
でも、狂牛病を教訓にできるところはあります。
狂牛病、正確に言うと牛海綿状脳症(BSE)、はちょっと前までは日本になかった病気です。日本からは遠い異国の話でした。
もしかしたら、一般の人たちは知らない病気やったかもしれません。知ってたとしても、『外国には怖い病気もあるんやな〜』って感じやったんじゃないでしょうか?
ところが、昨年、日本にも狂牛病が発生しました。そして、日本中パニック!
牛肉業者大打撃。そこらのファミレスでも『当店では狂牛病の疑いのある牛肉は一切使用していません』などと大きく書かれるようになりました。
狂牛病と判明した牛は1年間でも数頭程度。
その後、対応は遅かったとは思いますが、屠場での全頭検査等の対策が取られほぼ人間に感染する可能性はなくなっても、かなり日本産の牛肉の売れ行きは悪くなったそうです。
肉牛農家なんかかなりやばかったみたいです。ホンマに牛の値段が暴落したみたいです。
狂牛病でこんな感じになる。
もし、これが狂犬病やとどうなるんでしょう?
犬なんかそこら中にいっぱいいます。パニックになるのは目に見えています。それも、狂牛病の時の比じゃないでしょう。みんな疑心暗鬼になって、犬を見れば狂犬病にかかってるんじゃないか?って疑いを持つようになるでしょう。
では、狂犬病が日本に入ってくる可能性は?というと・・・
一応少ないとは思います。でも、狂牛病も入ってきたしいつ入ってきてもおかしくはない状況です。
今の交通が発達した世の中、ひとつの感染力の強い病気は2日で世界中に広まると言われています。
日本では検疫といって空港などで入ってくる動物が病気を持ってないか調べることで狂犬病を防いでいます。しかし、狂犬病予防法で検疫が定められている動物はたったの5種類(犬、猫、キツネ、スカンク、アライグマ)だけです。しかも、最近になって5種類に増えただけで、ちょっと前までは犬のみでした。
最初に書いたとおり、狂犬病はほぼ全ての哺乳類に感染する病気です。
5種類の検疫で足りるんでしょうか?世界中ではまだまだ狂犬病がある国のほうが多いのに・・・